夕闇桔梗の夢の雫

(株)トミーウォーカーのPBW「シルバーレイン」の一条・姫乃(b64945)、同「エンドブレイカー!」のルナ・ブランシェ(c00642)、ツクモガミネットのPBW「螺旋特急ロストレイル」の水元千沙(cmaw2190)のなりきりブログです。
<< March 2024 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています




| 2011.12.18 Sunday () | - | - | - |
おまもり。

 ……思いついて、手芸屋に行った。
 たいした理由なんかない、たぶん本人以外にとっては。

 天然石のビーズをいくつか、それにワイヤーやその他の必要な道具をそろえる。
 少し高くつくけど、それは必要だったから。

 蒼い石は幸運のお守り。
 それと、透き通るようなクリスタル。

 想いをこめて。
 不器用ながらに。

 いびつだけど、それはきらりときらめいて。
 彼女は少し、笑った。

 ――あなたのそばにいるから。
 これは、おまもり。

 (貴方の名前をそっと呼んで
 (私の中にそっと刻んで
 (貴方と一緒にいるのなら
 (私は、怖くない――

 ぐっとにぎりしめた手のひら。
 それをそっとゆるめて、少女はまた、微笑った。



 なんとなく書いてみた文章。
 基本的に背後、こういう文章は好き。
 ……ま、これを書くきっかけは、どっかに転がってたんですけどね。

| 2010.04.21 Wednesday (20:01) | 姫乃のそーさく | comments(0) | - |
1004

(ルーズリーフの一葉。1004と隅に走り書きされている)


それは物語の始まり
それは物語の終わり

気がついたのはいつだったろう
気づけばあなたが気になっていた

ずっとずっと待っていました
でも待つだけはつらすぎて

あなたのほうがもっとつらくて
見ているだけできゅっとつらくて

初めての恋の終わる音
でもその中に小さな想いの種
わたしはとなりで同じ景色をみて
いっしょに笑っていたくなりました

ありがとうとさよならを
幼い初めての恋に告げて
わたしは選びました
誰のとなりにいるべきかを

そっと差し伸べた手を
そっとつかみ返してくれた手

同盟なんて戯言で
わたしはただ
そばにいたかっただけかもしれません

受けとめてくれた暖かい手
わたしがずっと求めてたもの
その手の甲に口付け落として
「あなたのそばにいたいのです」
ひとりでいるのはつらくても
ふたりでいればきっと平気

やさしい想いにくるまれて
わたしはとても幸せです




| 2010.04.11 Sunday (10:21) | 姫乃のそーさく | comments(0) | - |
想いは、一番のちから
だいすき

このひとことが とっても優しい
すきなひととふたり
とても優しい時間
時は過ぎても きっとずっと

きっかけはなんだろう
ただ あたたかくて
ただ 心地よくて
気がついたら あなたがすきでした

待つのは嫌いじゃなかった
でも淋しかった
だから ありがとうとさよならを
初めての恋は ちょっと甘くて苦い味で

いまはそっと手をつないで
大切なあなたのそばにいる

やさしいこえ

本当はきっと 惹かれてた
ずっと 惹かれてた

これからは いっしょに
季節を 紡いでいこう



| 2010.04.09 Friday (10:42) | 姫乃のそーさく | comments(0) | - |
こねこ

この前、帰り道に神社で子猫を見かけたんよ。
みかん箱にはいっとってな。
みゃあみゃあと切ない声を上げるから、こっそりここで飼うことにしたんよ。

『ほかの人には秘密だよ?』


**************

 子猫はじっと待っていた。
 自分に差し伸べられる、やわらかくてあたたかい感触を。
 もとはきれいであったろう虎縞は少し薄汚れているし、見た目もやせっぽちだけれど、大きな金色の瞳はそれでもきらきらと輝いていた。
 予感があったのかもしれない。
 暖かな手のぬくもりをくれる存在がいつか現れると信じていたのかもしれない。
 だから待っていられた。
 みかん箱に敷かれた毛布に包まって、じっと待っていた。

「……あれ?」
 ある日の帰り道。姫乃は神社の境内で、小さな声を聞いた気がした。
 みゃーお。
「何やろ……この鳴き声は、猫?」
 静かな境内。普段は社務所にも人はまばらで、だけど歳月を経た、重厚な静けさを持った神社。そこでの猫の声はあまりにも貧相な印象を受ける。
 声は社殿の裏側、人目につきにくい場所からのようだ。姫乃は少し胸をどきどきさせながら、そちらへと近づいていく。
「……あ」
 そこにはみかん箱と、その中で丸くなっている小さな縞猫があった。
「捨て猫……やろか。まだずいぶんとちっちゃいけど」
 そっと手を伸ばして猫に触れる。ふにゃりとしたやわらかくてあたたかい感触は、間違いなく生きている証だ。姫乃は通学用かばんから、いつも持ち歩いているお菓子をそっと子猫の鼻面に置いてみた。子猫の鼻がぴくっと動き、そのにおいを確認した後で恐る恐る口に含んでいく。
 みゃあ。
 おなかをすかせていたらしい子猫はゆっくりと食べ終えてから、一声鳴いた。
「かわええなあ……でもうち、下宿やから飼うのも難しいしなぁ」
 でも、かわいらしい子猫を見てしまうと、やはりこのまま黙殺するのもいやだ。
「なあ、お前……ここに毎日来るから、うちが面倒見てもええ?」
 子猫はわかってかわからずか、わずかに首をかしげる。そして前足をぺろりとなめた。でもそういう態度をとっているということは、少なくとも敵と認識されたわけではなさそうだ。
「みんなには秘密やね」
 姫乃はくすくすと笑う。あ、でも――、と姫乃は子猫にたずねかけた。
「ねえ、今度うちの一番大事な人、連れてきてもええかな? 猫がすきやから、きっとお前のことも好きになると思うんよ」
 姫乃はほほを染めながら言葉をつむぐ。その笑顔はひどく嬉しそうだ。

 ――それから、姫乃は毎日、子猫のもとに通っている。キャットフードをこっそり与え、毛並みのつやも戻ってきている。やせ細っていた子猫は順調に成長しているようで、それもまた嬉しい。
 それはささやかな秘密。
 そして――穏やかな時間。

*********************

素敵なイラストを描いてくれたU3候補生様、ほんまおおきに!
====================================================
 この作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、
立夏が作成を依頼したものです。
 イラストの使用権は立夏に、著作権はU3候補生様に、
全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
====================================================




| 2009.12.09 Wednesday (13:53) | 姫乃のそーさく | comments(0) | trackbacks(0) |
SSもどき1・「心をこめて、想いをこめて」

この前できたピンナップにフォローするための、自作SS。
言葉たりんこともあるかも知れんけど、かんにんな?

****************

「……うーん」
 姫乃は慎重に指を動かしている。
 指先に絡まっているのは淡いブルーの毛糸。柔らかな感触が指先をくすぐるも、格闘している相手は「それ」なのだから、指先と視線の先に意識を集中させることをやめてはいけない。
(「クリスマスまでに、間に合うやろか」)
 ひと月先のビッグイベントに備えて、手芸店で毛糸と編み棒、簡単な編み物のテキストを購入してから早十日。最初はもっと簡単かと思っていたのに、指が思うように動かない。もともと手先が器用というわけではないからこそ十分な時間を用意していたはずなのに、いまいち進みが遅いのは……
「ああっ、またひとつ間違えたっ」
 ……と言う事を繰り返しているから。
 
 初めてできた好きな人に、心からの想いをこめて一目一目。
 それはとても神聖な儀式のような、夜も更けてからの日課になりつつある。
 ホットミルクを傍らに置き、大好きな音楽を聴きながら、ゆったりした心持ちで編む。
 本当にごくシンプルなマフラーなのだけれど、だからこそ慎重にもなる。
 見栄えはもちろんだけれど、何よりも喜んでほしいから。
 大切なあの人が喜んでくれることを祈って、指は動く。
 ♪〜……
 ついついこぼれる鼻歌に、自分で気づいていない。
 やさしい音色とともに指を動かしていると、自然と今年の思い出が頭をよぎる。
 『能力者』としてやってきた、この銀誓館。
 初めての戦い、仲間、友人……そして恋。
 それまで恋なんて、なかなかできなかった。転校が多くて、それどころじゃなかったから。
(「お父ちゃんとおかあちゃんには、感謝やな」)
 海外に転勤という話が出たとき、その場所を聞いて驚いた。日本を出たことすらない自分にとって、それは果てしなく遠い場所としか認識できなかった。
 ただ、高校受験のことを考えると今海外に出るのは得策ではないらしい。日本人学校などの資料を集めた両親は悩んだ挙句に娘に問うた。
 ――共に海外に行くか、一人暮らしで国内を望むか。
 姫乃はわずかに悩んだが、結論はすぐに出た。
 ――日本がええなあ。

 それが、すべての分岐点。

「あ、もうこんな時間や」
 姫乃は時計を見て、目を丸くする。
 明日の準備もしなくては。
 学校に持って行ってまで編むつもりは今のところない。
 というか、そんなことをしたら絶対にみんながからかってくる。
 もちろん、祝福していることは承知なんだけれど。

「……早くクリスマスにならんかな?」
 姫乃は口元をわずかにほころばせて、そして今日の想いをまた、マフラーの編み目に詰め込んだ。

****************

たいした出来ちゃうけど、まあこんなかんじ?
またピンが出来たら、そのときもまた書こうかな。




| 2009.11.30 Monday (20:42) | 姫乃のそーさく | comments(0) | trackbacks(0) |
ひかり

それは、ほかの人から見たらとてもつまらんことかもしれない。
でも、うちにとってそれは、光のようなものやった。



転校には慣れてる。うちの家族は一年から二年にいっぺんは引っ越してたから。
それでも一人きりは初めてで、どきどきしてた。

その扉をたたいたんは、今となってはどうしてかわからへん。
名前の通りの古びた外観に引かれたからかもしれん。
とにかく、気付いたらうちはそこにいた。

おいしい紅茶をいただきながら、みんなが迎え入れてくれる。
うちの居場所になれるなって思ったそのとき。

ひかりが。

その人は、優しい笑顔を浮かべて、挨拶してくれた。
それはまるで暖かな光。
うちは何度も瞬きして、その人を見る。
不思議そうな顔をしつつも、その人は微笑み返してくれる。


ああ。
みつけた。
うちのこの、<力>の意味。
守るための力。
大事なものを傷つけないための力。
そしてその大事なものは――この人やと。


うちの声は届きますか。
硝子のように脆く美しいその心の奥に。
うちの声は届きますか。
優しいあなたの、その深淵に。




| 2009.07.26 Sunday (19:41) | 姫乃のそーさく | comments(0) | trackbacks(0) |
強い、風が吹いた

背後さんの影響やな。
劇観にいきはったから。

胸に風がどうと吹く。
それは強く、でも優しい風。

いろんな気持ちを伝えてくれる。
ほんとうにいろんな心を。

そして届けてくれる。
うちの心、気持ち、そんなものを。

うちの気持ち、届きますか?
あなたに風は、響きますか?




| 2009.07.18 Saturday (23:29) | 姫乃のそーさく | comments(0) | trackbacks(0) |
こころはうたに

背後さん、すこーし風邪気味やそうです。
というか、風邪の症状でてたのに風邪と思わんかったらしい。
……どじやな。

ところでそれとはちゃうんやけど。
背後さんはVOCALOIDオリジナルの、『千年の独奏歌』いう曲がめっちゃ好きなんやて。
そのくせCD化されたことに気づかんかったどじやけどな。明日買うていうてる。
用事があってCDショップとかにいくらしいんやけどね。

まあ、民族音楽調の曲が好きらしいんやけど。
それを聞いて、ぼんやりと浮かんだもの。


****************

 しじまに小さな歌声が聞こえる。
 何かを口ずさみながら、姫乃は町を歩いていた。
 空には青い蒼い月。
「……ずいぶん遅うなったなぁ」
 学園祭を週末に控え、色々と忙しい時期だ。それでも、その鼻歌は妙に楽しげで、姫乃の顔にもほんのりと笑みが浮かんでいる。
 学園祭を思いっきり楽しむのは、たぶん始めて。
 それに、と姫乃は頬をそっと桜色に染めた。

 人にはさまざまな過去が、事情が、埋もれている。
 姫乃はそれを癒すことができるならば、と思っている。
 じっさい、ナイトメア適合者の力はどちらかというと癒すための力。
 姫乃はぼんやりと思う。
 ……一番近くにいたい人がいる。
 その人はひどく繊細で、優しい心の持ち主で。
 でも、彼女はふとしたことから知ってしまった。
 その少年の抱える小さな闇。影法師のような、もう一人の存在。
 今は、自分がそばにいて、それを癒すことができればと思っている。
 
 姫乃にはその、本当のココロはわからない。
 本人ではないのだから。
 ……けれど、一人では乗り越えるのが困難な道のりも、支えあうものがあればきっと何とかなる。
 心の癒しになることができたらいいのに。
 まだあどけなさを残す少女は、そうつぶやいて月を見上げた。続いて視線を地に落とす。
 光と、影。
 それは誰もが持っているもの。

 ……歌ににして、捧げよう。
 優しい心を、気持ちを、あの人に。
 きっとそれは、姫乃自身の望み。
 そして、それはきっと永遠。
 ちっぽけな少女の、心からの祈り。
 大事な人を守り癒す力は、誰もが持っている強い強い力。

 歌い続けよう。
 大事な言葉を歌い続けよう。
 大事な言葉なのだから。
 その思いが届くまで、歌い続けよう。

******************* 

何やおかしい文章になってもうたけど、気にせんといて……




| 2009.07.13 Monday (20:00) | 姫乃のそーさく | comments(0) | trackbacks(0) |
夏の夕暮れ
うちの浴衣は白地に桔梗。
桔梗は好きな花やから、お気に入りやねん。
 ひめのん浴衣

佐々木候補生さん、ほんまおおきに!

こっから先は、背後さんの書いたSS。
候補生さんに頼むのもおもろいかも知れへんけど、自分で書きたいんやって。

***********************

 てんてんつくつく、てんてんつく。
 どこか懐かしさを誘う祭囃子が何処からか聞こえて、姫乃はわずかに立ち止まった。
(「……ああ、もう夏祭りの季節やな」)
 姫乃は、夏祭りを満足に楽しんだ思い出があまりない。それは転勤族の父親の仕事の都合でしょっちゅう転入出を繰り返していたからなのだけれど――
 今年は、違う。
 両親は今、某国の首都で夫婦水入らずに過ごしているはずだ。
 父に海外転勤の話が舞い込んできたときは、流石に母も、もちろん姫乃も驚いた。
「治安はそれほどよくない国なんだが、お前たちはついてくるか?」
 父はそう尋ねた。海外で暮らす機会などそうあるものではない。たとえこの日本よりも不便でも、それはチャンスだった。……普通のものならば。
 ――けれど。
「……うち、日本に残るわ」
 少し寂しそうな笑顔を浮かべて、姫乃はそう言い切った。両親は驚いて理由を問うたが、それを答えることは非常に難しくて……

 小さいころから眠るのが大好きで、隙あらば昼寝を繰り返していた。
 だからだろうか。
 現と夢の境界線がだんだん曖昧になってきたのは、中学に入って間もないころだ。
 気がつくと他人の見ている夢にシンクロする。
 それは精神のみが他人の夢に入り込む『ドリームダイブ』だと知ったのはもっとあとだけれど、自分が異端であることはうすうす感じていた。本人にしか知りえないはずの情報が、頭に流れ込んでくるのだから。
 ただ、それでもなぜか彼女は不思議にこそ思うが不気味とは思わなかった。
 他人の夢の中はどこか歪んでいて、そして姫乃にはそれを癒す力があった。
(「大丈夫、うちはいつもみんなの味方や」)
 そうつぶやいて、そして夢を癒す。夢は純粋な思いの塊なのだから、それが歪み傷ついているのは必ず理由がある。本人はささくれほどにしか表層で感じていなくても、夢という深層の賜物の中ではそれが増幅され、そしてその夢の主を苛むこととなる。
 気づけば、それを癒すのが当たり前になっていた。傷ついている姿をみるのは、いやだったから。
 そしてその力が異端であることもわかっていた。しかし彼女はそれを受け入れていた。ごく、自然に。
 ……だから、インターネットをしているとき、『それ』を見つけたのは偶然だったのか、必然だったのか。
 不思議な出来事を集めた匿名の掲示板。
 そこに、同じような『異端』をもつ少年少女がさまざまに書き込んでいた。
 そして彼らは自分たちのような存在が数多いることをそれとなく示唆していた。
 『銀誓館』という学校を知ったのは、それらの書き込みのどこかだ。
 気になってインターネットで検索してみると、鎌倉にある私立のマンモス校であることがわかった。学校紹介のサイトにはごく当たり前のことしか書かれていない。
 ただ、その学校の雰囲気はとてもリベラルらしく、興味を持ったのは確かだった。生徒争奪で苦心しているこのご時世に、まったくそれらしきことも書かれていないのは、そんなスクールカラーだからかもしれない。一人暮らしの生徒も多く、近くには下宿や寮もさまざまにあるのだという。
「……銀誓館……」
 なんとなく、胸に残る名前だった。

 両親の海外行きが決まったとき、思い出したのは銀誓館学園のことだった。
「なあお父ちゃん、鎌倉にエスカレーターの学校があるんやて。一人暮らしの子も多いて学校案内に書いてあってん」
 そう提案すると両親はまたもや驚いた。まだ義務教育中の娘を一人にするわけにいかないと考えたのだろう。しかし姫乃が学校案内のサイトを見せると、驚きもしたが納得もしたようだった。
「へえ……こんな学校あるんだな」
「でも私立って、姫乃、編入試験とかあるんじゃない?」
 母が心配そうに問いかける。一芸の編入入試もあるから大丈夫だと姫乃は笑った。
「うち、海外に行くよりも日本でまったりしてたいし」
 ……最終的に、両親は『できる限りメールなどで連絡をよこすこと』という条件を付けて、一人娘の日本残留を認めたのだった。

 そして彼女は知る。
 世界のほころびを。
 それを食い止めんとする能力者たちを。
 彼女の夢もまた、その力の一端であるということを。

「……もう、夏やなぁ」
 姫乃はそうつぶやいて髪を軽くかきあげる。ふわりとシャンプーの香りがした。
 鎌倉に来て一ヶ月と少し。その間にいろいろなことがあった。
 何よりも大きいのは、出会い。ぬばたまの髪と柔らかな灰色の瞳の持ち主は、どこか優しい気持ちにさせてくれる。
 とくん、と高鳴る胸。
 そういえば、今年は夏をゆっくりとすごせそうだ。いつも何かしら忙しかったから――
 いや、もちろん今年も忙しいのだけれど、でもそれは目が回るほどに忙しくてもきっと楽しい思い出になってくれる。みんながいるから。仲間がいるから。
 そうだ、せっかくなのだし夏祭りにいこう。
 お気に入りの桔梗柄の浴衣を着て、きゅっと帯を締めて。
 その傍らには、きっとあの人。
 みんなでわいわい楽しんでもいいけれど。
「……あははっ」
 思わず笑みがこぼれる。

 まだ、夏は始まったところ。
 そしてまだ、楽しいことはこれからたくさんやってくる。


*********************

なんや突発的に書いたのにえらい分量な気ぃするて背後さん。
ま、たまにはこんなんもええかもな。


追伸。
書いてから文字数カウントしたんよ。
2095文字。原稿用紙5枚分。
……筆がのったからて、やりすぎや。(苦笑



| 2009.07.09 Thursday (15:33) | 姫乃のそーさく | comments(0) | trackbacks(0) |
七夕

空を、見上げる。
あいにくの雲が、星たちを覆う。

今日は銀河のお祭り。
だけれども。

……どんなに目を凝らしても、そこに星は見えなくて。
私は少しさびしくて、頬をぬらす。

星は巡る。
恋人たちは再会を信じて、水素よりも透き通る川面を見つめる。

私は……
いつか届くのだろうか。
純粋なる想い。

ただそばにいたい。
そして嬉しいときに、微笑を交わしたい。

ただそれだけの、ささやかな想い。

ワタシノネガイハ、トドキマスカ?




| 2009.07.07 Tuesday (21:39) | 姫乃のそーさく | comments(0) | trackbacks(0) |
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECOMMEND

 
PCプロフィール
TW2
一条姫乃
銀誓館学園千尋谷キャンパス
中学3年F組
妖狐×白燐蟲使い
称号:黄昏の幻燈火
象徴物は桔梗の関西弁娘。

TW3
ルナ・ブランシェ(18)
スカード、杖の星霊術士
象徴物は月、月長石を愛する元気娘。

螺旋特急ロストレイル
水元 千沙(17)
大正生まれの女学生コンダクター
日本画が得意、トラベルギアは筆
神戸育ちの大正浪漫娘。
イラストに関する覚書
 この作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、立夏が作成を依頼したものです。
 イラストの使用権は立夏に、著作権は各イラストマスター様および候補生様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
SPONSORED LINKS